こども園・幼稚園・保育園のためのサバイバル・コンサルティング

2019年10月より幼児教育無償化になります。業界としては追い風の今の時期、今後10年のことを考えておく必要があります。 待機児童が解消され、こどもの数がいまよりさらに減ってきた場合、施設間での生き残りをかけた競争が始まります。 来る競争に向けての準備の一助になれば幸いです。

自分にしかできないことを行っていますか?

突然ですが、アウトソーシング(外注)を活用されていますか?
 
幼稚園・保育園・認定こども園の運営者の方からすると「アウトソーシングなんて大げさな…」と思われる方も
多いと思いますが、すでにご活用されている方も多いかと思います。
 
たとえば会計業務に関する作業や決算作業・申告作業は、会計事務所・税理士事務所に依頼されている園がほとんどですし
給与計算や年末調整、社会保険・私学共済・労働保険の手続き代行を依頼されている園も多いと思います。
 
今まではこのような、自分たちでは出来ないことを外部の専門家を活用して行う、という面での
アウトソーシングが多かったと思います。(あまり意識されたことはないかもしれませんが…)
 
このようなアウトソーシングの使い方は一般的には【守備的アウトソーシング】と言われます。
 
【守備的アウトソーシング:自分たちでは出来ず、しかし対応する必要があるためにアウトソーシングを行う】
 
もちろん、このようなアウトソーシングはなくならないはずです。
AI化が進むことによって、ひとに頼むか、AIに任せるかは変わってくるとは思いますが…。
それでも園のスタンスとして大きく変わることはないはずです。
 
今回はそれに加えて、もう一つ別の概念のアウトソーシングがあるということをお伝えしたいです。
 
それは、【戦略的アウトソーシング】です。
 
【戦略的アウトソーシング:自分たちでもできるが、あえてアウトソーシングすることで経営資源選択と集中を行う】
 
「なぜ、自分たちでもできることを、あえて外部にお金を払って頼まないといけないんだ!」
というお声が聞こえてきそうですが…。
 
ポイントは【経営資源選択と集中を行う】こと。
 
幼稚園・保育園・認定こども園で考えると、経営資源と聞いて、真っ先に思い浮かぶのは人材です。
この人材、教員・職員だけではなく、理事長先生・園長先生も含めた【園が成り立つために必要なひと】と考えてください。
 
いまは、幼稚園・保育園・認定こども園それぞれで、大きな制度の変わり目です。
いま行った選択が今後10年、20年を左右しかねない時期です。
そんな時期にもかかわらず、理事長先生・園長先生が日常業務に忙殺され、情報収集やじっくり考える時間をなかなかとることが出来ない。
そんなことになってしまっては、本末転倒です。
 
重要なことに時間をかける、じっくりと考える時間を作る。
そのために、自分たちでもできることをあえてアウトソーシングする。
たとえ単純作業であったとしても、
「こんな単純作業をお金を出して外部に行ってもらうなんて…」とは考えずに
「お金で時間を買う」という意識に変えていくことが必要です。
 
そうやって、「この作業は自分でなくても出来るんじゃないか」ということを
一つ一つ抜き出していけば残ってくるのは、
その方にしかできないことになってきます。
 
たとえば、園の将来を左右する意思決定。
外部の専門家を活用することはできますが、
最後の意思決定、責任を持つのは運営者の方です。
 
時間が足りない、過重労働気味だ、と感じられている方にこそ
これまでは考えたこともなかったようなことをアウトソーシングできないか、検討してみてはいかがでしょうか。
 
運営者の方にとって何より重要なのは、事務作業を間違いなく行うことではなく
ベストな状態で重要な判断を下せるかどうか、ですから。
 
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
 

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