こども園・幼稚園・保育園のためのサバイバル・コンサルティング

2019年10月より幼児教育無償化になります。業界としては追い風の今の時期、今後10年のことを考えておく必要があります。 待機児童が解消され、こどもの数がいまよりさらに減ってきた場合、施設間での生き残りをかけた競争が始まります。 来る競争に向けての準備の一助になれば幸いです。

幼稚園・保育園・こども園の人材募集について(人材確保策)

幼稚園・保育園・こども園の人材募集について(人材確保策)
 
前回の記事では、【幼稚園・保育園・こども園の人材募集について】を記載しました。
 
今回は、その具体的な対策である【人材確保策】についてまとめます。
 
①近隣の園と比べて、少しだけでもいいので給与水準を高める
身もふたもないことではありますが、最も効果的です。
学校に求人票を出すにしても、ハローワークに出すにしても
給与が良ければわかりやすく差別化することができます。
ただ、新人の給与を上げるということは、すでに働いている方たちの
給与を上げることにもつながりますので、現実的には難しい面も多いです。
 
②職員配置に余裕を持たせ、残業をなくし有給を取得できるようにする
新しい施設がどんどんできている今の時期、どこの施設・法人も慢性的な
人手不足だとは思いますが、だからこそ残業なし、有給完全取得を実現できれば
とても大きいです。
給与などと違って求人票には書きづらい面もありますが、保育士や幼稚園教諭の
方々は横のつながりが強いので、一度評判になれば紹介でひとを集めやすくなります。
 
③実習に来る学生を大切にする
教育実習・保育実習に来る学生さん、貴重です。
本来の実習の目的とは違いますが、施設側からすれば、いわば短期インターン
来ているようなもの。青田買いのチャンスです。
また、たとえ実習に来た学生さんが園で働かなかったとしても、
学生さんは学校に戻ります。
実習に来てよかったと思ってもらえれば、良い評価が広まるでしょう。
反対に、あんな所に行かなければよかったと思われてしまうと…。
 
④専門学校、短期大学と仲良くなる
③ともつながることですが、養成校の先生や大学のゼミと仲良くしていると
そのつながりで、良い方を紹介してもらえることがあります。
どんな業界でも、人と人とのつながりは大事ですよね。
やはりお互いをよくわかっている間柄だと、紹介してもらう学生さんも
園の文化にあった人が多く、ギャップは少ないようです。
 
⑤専門性を高める(教育、英語、スポーツ、音楽、芸術など)
園児の保護者が園を選ぶ際、何をもとに判断しているでしょうか。
近いから、歴史があるから、知り合いが通っているから、などなど
様々な理由がありますが、最近は保護者に選ばれるように
(選んでもらえるように)、何かに特化している園が増えてきています。
英語のネイティブ教師がいる、自園に大きな体育館がある、など
様々ですが、「うちは○○に特化している」と言えるようになることで
そのことに興味を持つ方を集めやすくなります。
あえて募集する人材の枠を狭めることで、際立たせることができます。
 
⑥情報発信を行う
給与水準や残業なし、何かに特化することもそうですが
いくら職員待遇が良く、園児に対して専門性をもって教育・保育を
行っていたとしても、情報を発信しなければ伝わりません。
もちろん、先生同士の横のつながりは強いですし、噂はすぐに広まりますが
それでも、園として発信することは大事です。
就職活動をする際は、園のホームページ、確認しますよね。
この園いいな、と思ってサイトを確認すると、
「いつの時代に作ったホームページだろう?」
というものが出てくると心配になりますよね。
園児向けに情報発信をしている園は多いですが、職員向け、という視点も
持ってみてはいかがでしょうか。
 
最後に、あえて括弧書きにしますが
(⑦人材紹介会社を利用する)
という方法もあります。
何の工夫もありませんし、結構なお金がかかることなので
可能であれば最後の手段にしたいところだと思います。
ただ、職員の配置基準を満たさなければ、本末転倒、
減算されますし、なにより良い教育・保育ができなくなります。
お金で解決できるのであれば安いもの、と考えることもできますが
ここに頼り切ってしまうと、園としての人材募集の力が失われていくので
やはり最後の手段にしておきたいところですね。
 
以上です。
 
いまは園児募集よりも職員募集に悩まれている園が多いと思いますが
ここは力を入れていいところだと思います。
 
個人的には、経営者層の一番大切な仕事じゃないか、くらいに思っています。
 
職員募集がうまくいっている法人・施設は、やはりよく考えて様々な手を
打っています。「それはひとが集まりますよね」と言いたくなる。
 
一朝一夕に変えていけることではないので、動くなら早めに、ですね。
 
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
 

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